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2005-09-11 19:18  <老人と涙>
今日は、介護施設で暮らしている祖母に会ってきた。耳が遠くなったと言っていたが、それ以外はいたって元気そう。
おっとりとした口調とおしゃべりは全く健在で、これからもずっと自分が好きなおばあちゃんでいてくれそう。全く心配はしていない。
で、その介護施設のロビーで家族と祖母で話しているときに、印象的なシーンを目撃してしまった。それは、ある車椅子の老人の涙だった。
その車椅子の老人は、僕らが施設に到着してロビーのソファーで祖母を待っている時から、ロビーにある電話で何か話していた。
ところどころ途切れてしまいながらも、その口調ははっきりとした意思を持つ力のあるものだった。
なので、割と遠い場所にいながらも、耳を凝らせばその車椅子の老人が話している内容が、ポツポツと聞き取れた。
その老人は、何かを電話の相手に訴えかけているように見えた。

「 ・・・もう4年間も誰も来てくれない。・・・一億円がすっかりなくなってしまった。・・・ 」

聞き取れた中で最も印象に残っていたのが、この2つの言葉だった。
なぜ、一億円ものお金がなくなってしまったのか?なぜ、4年間も訪問者がいないのか?そして、電話の相手は誰なのか?
僕は、無性に気になってしまった。この老人はどのような過去を背負ってきて、いかなる理由でこのような介護施設で暮らしているのか、と。
家族と祖母の会話を聞いているフリをしながら、目を凝らしてその老人の挙動を追っていると、
相手が電話を切ってしまったのか老人は受話器を置き、こっちを振り向いた。
すると、その老人は僕らが座っているソファー横の仏壇の前に車椅子をトボトボと引きながら来て、合掌した。
老人の涙を見たのは、その瞬間だった。声の出ない嗚咽をしながら、泣いたのだ。僕は、ハッとしてしまった。
泣くほどの悲しみをこの老人は抱えていたのか、と。しかも、4年間も独りで。
その時に、僕はその老人にかける言葉がみつからなかった。
涙のいきさつも知らないし、その老人がどのような過去を背負ってきたのかということも、想像がつかなかったから。
まだまだ20年そこそこを生きてきただけの青二才の想像力では、その悲しみを共有することができなかった。

人の悲しみを癒せるのは、一体何なのだろうか?想像力を働かせて相手を思いやるということは、確かに悲しみを癒せるかもしれない。
しかし、その想像力が到達しえないところに相手の悲しみがある場合は、どうすればいいの?
もどかしさだけが残る一日だった。不条理とは、このことを言う。
しかし、思いやりという想像力が、人の悲しみを救済できる手段となることに間違いはない。
ホワイトバンドってやつ、俺もつけてみようかな。
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by note_R | 2005-09-11 19:18
2005-09-07 19:08  <夕陽>
今夕(こんせき)の夕陽は、綺麗すぎた。
あたりは、夕陽の色が染める色世界。目が覚めるような、刹那の別世界。
夏が遠のき、秋が近づいてくる。そんな時の流れを感じさせる、夕陽だった。
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by note_R | 2005-09-07 19:08