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2006-04-15 00:49  <建築家・中村好文>
より人間的なスケールの「家」には、生活者の所作が如実に表れる。
それだけに、「家」の設計は楽しい。より身近な想像が、ダイレクトに設計に反映されるから。

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、建築家の中村好文さんが出演していた。
中村好文さんは、我が家の設計をしてくれた建築家。余談だけど、若い頃はかなりかっこよかった(今もだけど)。
綺麗過ぎてかえってくつろげない一般の建築家の住宅とは違い、中村好文さんの住宅には遊び心と温もりがある。

中村好文さんは、ビルの設計や大規模再開発には目も向けないで、あくまで「家」の設計にこだわる。
施主にとっての心地よさを会話の中で引き出しなしながら、プロの住宅作家としての知恵や創意工夫を打ち出す。
それは決して建築家としてのエゴによるものではなく、あくまで生活者のためのいい「家」の提案によるもの。
いい「家」のデザインとは、中村好文さんのような設計をいうのかもしれない。

そんな中村好文さんも、2度も職を失った経験がある。
そして、失職後の設計事務所設立当初は全く仕事が来なかったらしい。
当時の世間と自分とのズレによる焦燥感。それが、一番辛かったとのこと。
でも、今住宅作家となっている中村好文さんは、やりたいことを職にしていてとても幸福そうだ。

「仕事を選ぶ人ではなく、仕事に選ばれる人がプロフェッショナル。」
果たして自分はどんな職に選ばれるべきなのか?
# by note_R | 2006-04-15 00:49
2006-04-13 12:10  <海上の森>
海上(かいしょう)の森は、愛知県瀬戸市に存在する。そこは、野生生物にとっての楽園の地。
しかし、そんな楽園も万博の会場として一部が人為によって失われた。
「愛・地球博」「自然の叡智」を謳った愛知万博の会場として、開発されてしまったのだ。
仮設的な万博のためにかけがえのない原生林が失われてしまう。
結果的に、愛知万博の会場は海上の森の一部だけになったが、
初期案で愛知県はその場所に大規模な住宅団地を建設する予定だったらしい。
「自然の叡智」の本質とは何なのか?ちょっと考えさせられる。そんな、お祭りの舞台裏。

あと、最近耳に残った言葉。これはスタジオジブリの新作映画の中での言葉だという。
「農民は田畑を捨て、職人は技を忘れた。」
なんだか分からないけど、この言葉が妙に耳に残った。

ジブリ映画が観たくなった。
# by note_R | 2006-04-13 12:10
2006-04-03 15:28  <受難>
昨日は、酷い日だった。ある新聞社の一般教養試験があったんだけど、酷い日だった。
この新聞社、受けてみようかな位の軽い気持ちでエントリーしたんだけど、酷い日だった。

試験開始時間の30分位前に、会場の最寄り駅に着いたまでは良かった。しかし、そこから歯車が狂い始める。
スーツ姿の集団が、自分が思い込んでいる会場の方向と逆の方向に向かっているのは分かっていた。
でも、「集団心理とは怖いな、みんな方向を間違えてるよ。」と、自分が考えている会場の方向に向かう。
しばらく歩いていると、会場らしき大学が見えてきた。着いた、と思ったらそれは違う大学だった。
おかしい、と思ってさらに会場を探しているうちに会場の最寄り駅の一つ先の駅に着いてしまった。
それは、会場とは全くの逆方向の駅だった。騙された。

あせった。その時はすでに試験開始時間の5分前。とりあえず、この駅から試験会場の最寄り駅まで電車で戻ろう。
走った。最後に全力で走ったのがいつだったか忘れてしまっていたが、全力で走った。
しかし、乗るべき電車のホームがこれまた遠い。約1分間全力で走り続けた。
なんとか電車に乗る。このときすでに試験開始4分前。間に合わないな。

再び試験会場の最寄り駅に着いたのが、試験開始時間2分前。
今度は先ほど集団が向かっていた方向に素直に向かい、全力で走った。同じ境遇(?)の受験生3人で共に全力で走った。
会場が見えてきた。入り口に着いたと思ったら、「受験する方は正門からお入り下さい」と立て看板。また、騙された。
「はぁ?ここは正門じゃないのかよ。正門は、駅に近いとこにつけるでしょ。普通は。」
と心の中で愚痴を言いつつ、仕方なしに正門に向かう。これまた遠い。もう既に開始時間は過ぎている。

ようやく会場に辿り着いたら、試験はまだ始まっていなかった。遅れたのは自分だけだった。
人のあまりの多さにビックリすると同時に、センター試験を思い出した。まるで、大学入試の会場みたいだ。
ぎりぎりセーフと思ったのも束の間、着席と同時に「それでは始めてください」と試験官。
休む暇はなし。そして、90分の試験と60分の作文を何とか乗りきる。作文のテーマは、「ライバル」だった。

手ごたえ全くなし。疲労は限界。そして、追い討ちをかけるように帰り道は嵐。
自分だけに風雨が集中して当たる。辛すぎるこの仕打ち。弱り目に祟り目。限界は既に超えている。
寒さで傘を持つ手の感覚が麻痺しているのが分かった。早く家に着いてくれ。

何とか家に着き、安堵する。こんなに酷い日は、もうゴメンだね。
# by note_R | 2006-04-03 15:28
2006-01-03 01:30  <作家の肖像>
最近、必要に駆られて過去の自分の設計作品を見直している。また、直に他人の作品の発表を聞く機会もあった。
その中で、作家性について考えるようになった。

アートとデザイン、芸術と文化。これらを創造するのが作家である。
アートは、自己完結型の創造だ。アーティストは、己のメッセージを作品を通じて社会に訴えかける。作品に対峙する人は、それを受容することしかできない。
デザインは、社会のニーズと同居する。デザイナーの真価は、ニーズを斬新で美的な商品に転換し、それを社会に還元していくところにあると思う。
作家と他者との対等な相関があるか否かに、アートとデザインの差異はある。
その差異はまた、芸術と文化の相違に近似する。芸術は高尚なものであり、一般の者はその審美に触れることによって豊かさを享受する。
それに対し、文化は人間の営みの中で固有のアイデンティティが形成されたものだ。そこでは、多くの人間が作家となる。
芸術と文化の差異は、それに接する人々が創造の傍観者となるか当事者となるかの違いにある。

アートとデザイン、芸術と文化。いずれの場合も、作家と他者(社会)との相関、作家という主体のありかの相違はあれども、
形而上を創造する点においては共通している。作家は、形而上を創造しなければならない。否、創造するものである。
では、作家性とは一体何なのであろうか?作家性とは、作家の独自性である。ということもできるが、それは正確ではない。
なぜなら、いずれの作家も他の作家の作品(他のモノ)を下敷きにして自身の作品を構築しているから。完全なるオリジナリティなど存在しない。
しかし、作家としての個性を、言い換えるならばアイデンティティを作品に表出することは可能だ。
作風を容易に言葉にできず、既に知られていない何かを作品から見出せれば、その作家はアイデンティティを獲得しているといえよう。
容易に言葉にできないような作家のアイデンティティが、作家性である。

その意味で、デザインと文化は作家性を要しない。また、アートと芸術は、作家性が色濃く表れる。
では、建築はどうだろうか?建築に、作家性が必要なのだろうか?
承知かどうかは知らないが、建築は純粋芸術ではない。建築では、彫刻やアート作品と違って実際にそこに人が入り、生活を行う。
また、文学や音楽と違って、現実のものとして形になる。さらに時代によっては、宗教や国家のシンボルとしての役割を担う。
つまり建築は、技術、文化、社会、ユーザーといったあらゆる事柄のニーズに応答しなければならない統合芸術であるといえる。
建築家は、アーティストである以前に、デザイナーでなければならないのだ。建築に作家性は不可欠な要素ではない。

しかし、作家性なき建築家が、歴史に名を残すことは稀である。ミースもコルビュジエも社会的要請と巧く結合したデザイナーであったが、
と同時に作家としてのアイデンティティを獲得し、それによって形而上を体現できた建築家だった。
建築を評価する時に、優劣の差異が生まれるのは作家性の有無にもある。社会的要請に応答しているだけでは、一介の設計者にすぎない。

と、正月早々、自分なりの建築作品の評価軸を稚拙ながら脈絡も無く考えてみた。ここまで読んで付き合ってくれた方、ありがとうございます。
そして、新年明けましておめでとうございます。
# by note_R | 2006-01-03 01:30
2005-12-29 19:05  <気晴らし>
昨晩は、毎年恒例の教授宅の忘年会に出席。去年とは一味違うメンバーだった。
もっけんは個性的なメンバーが多い。にしぐちクンといしはら軍団の今後に期待。

で、その後Malco宅に居候。彼が設計した病院についていろいろと聞く。
贅沢な予算と割と広めの敷地という好条件にもかかわらず、短期の設計期間という制約と、
クライアントである彼の親父のユニークな要望で、思い通りの空間をつくりあげるのが難しかったとのこと。
実際には、諸機能を上手く敷地内に当てはめていくことで精一杯で、コンセプトも何もなかったらしい。
現在は、基本計画を終え、木造の骨組みが続々と立ち上がっている段階。あと一ヶ月でその他の図面も仕上がる予定だそうです。
ここまでくるのに大変だったんだろうな~と思う。でも、幸せ者です。親戚の伝手で設計できるなんて。
(あと、彼が現在住んでいるマンションにも驚いた。家賃月○0万円。ありえないでしょう・・・。超快適に熟睡。)

日付変わって今朝、Malco宅から直新宿に行って、久しぶりのお買い物。いや~いい買い物ができた。(Link:Queen Classico
高校時代に、部活合間のリフレッシュとして仲間とよく買い物にいっていたことを思い出した。
近頃は精神的に余裕がなかったから、気分の開放にうってつけだった。

次は、CDを買いたい。新鮮さが必要ですな。何かお勧めがあったら教えて。
# by note_R | 2005-12-29 19:05